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中耳炎と漢方薬

 

体力の低下に伴ういろいろな病気に対して、その体力を補うための治療として十全大補湯、補中益気湯、人参養栄湯などの漢方薬があります。これらは基礎研究や臨床研究で免疫の活性化、栄養状態の改善、感染症に対する有効性が報告されています。
具体的には慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者さんに対する、補中益気湯の投与による感冒罹患回数の低下、あるいは乳児の肛門周囲膿瘍に対する、十全大補湯の有効性が報告されています。

耳鼻科領域においても漢方薬はよく使われます。アレルギー性鼻炎に小青竜湯や葛根湯加川きゅう辛夷など、メニエール病に五苓散や柴苓湯など、他にもたくさんあります。

そのなかで、難治性の中耳炎(反復性中耳炎)に対し、十全大補湯の投与によって、中耳炎罹患頻度の減少、発熱期間の減少や抗菌薬投与の期間の減少といった有効性が報告されています。

反復性中耳炎は、別に述べたとおり、抗生剤の耐性化などの外因的な背景に加えて、集団保育、2歳未満という免疫が未発達の段階で起こりやすいことがわかっており、病気の内因的な原因となる生体側の免疫や抵抗力の低下、体質の改善を図ることを目的として投与され、感染症、中耳炎に対する効果が報告されてます。